U35世代サラリーマンの思いがいっぱい

図書館でたまたま見かけて、タイトルが気になったので読んでみました。「U35世代 僕と仕事のビミョーな関係」。ちょっと昔の出版物ですが。

 

U35世代?僕と仕事のビミョーな関係

U35世代?僕と仕事のビミョーな関係

 

 

編者はサントリー次世代研究所。こんな組織があったんですね。

本の内容は、35歳以下のサラリーマン18人の仕事に関するインタビューをまとめたものでした。客観的な事実だけでなく、受け答えの表情から考えられること等の想像も敢えて交えた、と前文に書かれていましたが、その通り、頻繁に編集者の解釈、考え、主張が述べられています。しかも結構辛口です。ズバッと切ってます。最初のインタビューのタイトルが「パラサイトシングルの、ぬるい夢」ですからね。カラいです。

自分と同世代の人々の仕事に関する話が聞けるので、それだけでとても面白い。そして、当然いろいろな人のいろいろな意見があるので面白いです。自分の感覚に近いなあ、と思う人に対しては、特に編集者のツッコミが厳しかった気がしますが・・・。

編集者のスタンスとしては、「今の仕事に不平不満を言っているだけの人は仕事にやる気をもって主体的に取り組め、そうすれば仕事の楽しみが分かってくる」といった感じでした。

自分自身、今は人間関係に恵まれた環境で面白い仕事をさせてもらっていますが、2、3年前は直属の上司と折りが合わず、自分の力不足もあり、本当につらい時期がありました。結局仕事で大きな結果を出せないままチーム替えとなってしまいましたし、苦い思い出です。ただ、それでも逃げ出さずになんとかやり切ったことだけは自分を褒めてやりたいと思います。「不平不満を言わずにやる気を出せ」と言われても、果たして当時の自分にはあまり響かなかったんじゃないかなあと思います。不平不満くらい言わせてくれよ、ガス抜きしながら頑張ってるよ、という感じでしょうか。

仕事が辛かった当時、転職の可能性も踏まえて資格の勉強に力を入れたりもしました。同じように、現在の仕事に不満をもって、全く関係の無い資格の勉強を始めた人が本の中で出てきました。彼に対する編集者の意見は「だが、それはきっと、本質的な解決にはならない。自分と真っ直ぐに向き合い、不安な日常を変えることができるのは、結局は本人だけなのだ」。うーん、カラいなあ。

仕事を放り投げたりするより、よほどいい気がするのですが。資格勉強をして今とは違う場所を淡く夢見ながら、そうやってガス抜きしながら仕事するって、それでも十分素晴らしいと思うんだけどなあ。

 

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photo credit: Departure via photopin (license)

 

全体を読んで思ったことは、確かに仕事に対するやる気というのは重要だけれど、それでもやはり、どんな環境で仕事ができるか、やる気だけじゃどうにもならない運の要素はかなり大きい気がしました。人間関係とか、自分の力だけでできることには限界がある気がします。

ガス抜きしながら頑張っていくマイルドな前向きさがあれば良いのかな、と今は思っています。また仕事の環境が変わったら、変わるかもしれませんが。

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